社会保障審議会医療部会が示す、医療提供体制の未来図。病床・医師偏在・医療安全・救急医療改革の行方

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厚生労働省は1月19日、社会保障審議会医療部会を開催しました。
この会議では、病床数の適正化、医師偏在対策の強化、医療安全管理体制の改善、そして救命救急センターの評価見直しといった、日本の医療提供体制の根幹に関わる重要な議題が議論されました。
多岐にわたる改革案が提示され、今後の医療現場に大きな影響を与えることが予想されます。

引用

令和8年1月19日(月) 15時00分~17時00分 航空会館7階大ホール 第123回 社会保障審議会医療部会 議事次第

主要な論点・合意事項

1.病床数の適正化を促す新たな支援策と基準病床数削減の原則が示されました。

改正医療法に基づき、医療機関が病床数を削減した場合、原則として医療計画上の基準病床数も削減されることとなります。
ただし、急激な人口増加や新興感染症への対応のための「特例許可病床」など、一部の病床を削減した場合は、基準病床数の削減対象から除外される方針が示されました。
政策的な含意としては、地域医療構想の実現に向け、実質的な病床削減を後押しし、医療機関の経営安定化と地域医療提供体制の最適化を図る動きが加速します。

医療法等の一部を改正する法律の議員修正において、病床数の適正化に対する支援事業が追加され、また、当該事業により削減された病床については、不可逆的措置として、医療計画で定める基準病床数を削減することとされたところ。
このうち、総合確保法第七条の二第二項に規定する「厚生労働省令で定める場合」については、特例許可病床(※)といった基準病床数とみなされる病床を本事業により削減した場合を規定することとしてはどうか。

2.医師偏在是正に向けた多角的な対策が本格化します。

都道府県が、医師偏在指標に基づき「重点医師偏在対策支援区域」を設定し、経済的インセンティブを伴う支援を行う方針が示されました。
具体的には、診療所の承継・開業・地域定着支援、派遣医師への手当増額、勤務環境改善支援などが検討されます。
また、「外来医師過多区域」における新規開業希望者に対しては、地域で不足する医療機能の提供を要請し、要請に応じない場合は保険医療機関の指定期間が短縮される場合があります。
さらに、医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件についても、勤務経験期間を1年以上に延長するなどの強化が図られます。
政策的な含意としては、医師の地域・診療科偏在解消へ向け、経済的支援と規制の両面からインセンティブを強化し、医師の適正配置を強力に推進します。

重点医師偏在対策支援区域の設定に当たっては、都道府県において、厚生労働省の提示する候補区域を参考としつつ、地域の実情に応じて、医師偏在指標、可住地面積あたり医師数、住民の医療機関へのアクセス、診療所医師の高齢化率、地域住民の医療のかかり方、今後の人口動態等を考慮して選定することとする。
医師偏在是正プランにおいては、重点医師偏在対策支援区域、支援対象医療機関、必要な医師数、医師偏在是正に向けた取組等を定めることとし、策定に当たっては、地域医療対策協議会及び保険者協議会で協議する。
医療法等の一部を改正する法律案外来医師過多区域における要請に係る関係条文 第三十条の十八の六都道府県知事は、第三十条の四第二項第十四号に規定する区域であつて、外来医療を行う医師の数の、外来患者の数に対する比率に相当するものとして厚生労働省令で定めるところにより算定した率その他厚生労働省令で定める指標が、厚生労働省令で定める基準を超えるものがある場合において、当該区域のうち、特に地域外来医療を確保する必要がある区域があると認めるときは、当該区域を指定するものとする。
管理者の要件として医師少数区域等における一定期間の勤務経験を求める対象医療機関について、医療法第31条において医師の確保に関する事項の実施に協力すること等が求められている公的医療機関及び国立病院機構・地域医療機能推進機構・労働者健康安全機構が開設する病院を追加する。

3.医療安全管理体制と医療事故調査制度の強化が進められます。

医療機関内の医療安全管理体制強化のため、医療安全管理委員会が把握すべき「重大事象」の定義が明確化されました。
患者への影響度が大きく、確実に回避できる「A類型」として12項目が具体的に示されています。
全ての病院および入院・入所施設を有する診療所・助産所に対し、医療安全管理者の配置が求められます。
また、医療事故調査制度においては、医療事故の判断の質向上、院内調査の質向上、再発防止策の普及促進が図られます。
政策的な含意としては、医療事故の未然防止と再発防止を徹底するため、医療機関内部の安全管理体制を強化し、医療事故調査制度の実効性を高めることで、患者の安全確保を最優先とする医療文化の醸成を目指します。

医療機関において、発生した重大事象を医療安全管理委員会等が確実に把握できるようにする観点から、厚生労働科学研究において検討された患者への影響度が高く、かつ回避可能性が高い 12 の事象(補足資料5ページを参照)について、病院等において医療安全管理委員会等に報告すべき重大事象に含めることが適当である。
全ての病院及び入院・入所施設を有する診療所・助産所に医療安全管理者の配置を求めることとする。(医療安全管理体制関係)

4.救命救急センターの充実段階評価が見直されます。

令和7年評価(令和8年実施)から、救命救急センターの充実段階評価の項目が新たに追加・変更されます。
救急外来における専門性の高い看護師の配置、自施設の評価妥当性を確認するピアレビューの実施、重症外傷に対する診療体制の整備、日本医療機能評価機構など第三者による医療機能評価、そして日本外傷データバンクなどへの診療データ登録などが加わります。
これらの評価項目は、診療報酬や医療提供体制推進事業費補助金の算定にも連動します。
政策的な含意としては、救命救急センターの質の向上を促し、より高度で専門的な救急医療提供体制を全国的に強化することで、地域住民が安心して救急医療を受けられる環境を整備します。

令和7年評価から新たに追加及び変更する項目
<救急外来における看護師の配置について >
・救急外来に配置する看護師についてあらかじめ取り決めている(※1)(新)1点
・上記に加え、院内に救急医療に関する専門性が高い看護師(※2)が勤務している(新)1点
<2.充実段階評価に関するピアレビューの実施について >
・自施設の充実段階評価の妥当性について第三者によるピアレビューを受けている(新)2点
<3.重症外傷に対する診療体制整備について >
・大量輸血プロトコール(Massive Transfusion Protocol)を整備している(新)1点
・施設内に外傷外科医等養成研修等の受講者がいる(新)1点
<4.第三者による医療機能の評価について >
・日本医療機能評価機構、ISOまたはJCI(Joint Commission International)による評価を受けている(変更)2点
<5.診療データ登録制度への参加と自己評価について >
・救命救急センターで診療を行ったAIS 3以上の外傷症例をすべて「日本外傷データバンク」に登録している(変更)1点
・上記に加え、救命救急センターで診療を行った自傷・自殺未遂者をすべて「自傷・自殺未遂レジストリ」に登録している(変更)1点

結び

今回の社会保障審議会医療部会で議論された内容は、日本の医療提供体制の将来を大きく左右するものです。
病床の機能分化、医師の地域偏在解消、医療安全の徹底、そして救急医療の質の向上は、持続可能な医療制度を構築するために不可欠な課題と言えるでしょう。
これらの政策が今後どのように具体化され、医療現場に浸透していくか、引き続き注視が必要となります。

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本記事は生成AI(NotebookLM)を使用して執筆しております。

 

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