日本の予防接種政策、抜本改革へ。生涯を通じた公平なワクチンアクセス実現を提言

医療政策ウォッチャー

⬇️医療政策ウォッチャーとは?⬇️

「医療政策ウォッチャー」の歩き方(Podcast・Web・メンバーシップ)|木内 翔太 / Shota KIUCHI
📕どんなメディア? 薬剤師・医療者・アカデミア・ヘルスケアビジネスなどの「健康」に関わるすべての方々のために、厚生労働省やWHOの医療政策ニュースを「要約」してお届けしています。 🎧 無料Podcast(ながら聴き用) 移動中や家事の合間に...

引用元: タイトルなし

使用資料:

  • <インフォグラフィック>我が国の予防接種・ワクチン政策の課題と展望-予防・健康づくり時代に求められるライフコースアプローチとワクチン・エクイティの視点から-.pdf
  • <政策提言>我が国の予防接種・ワクチン政策の課題と展望-予防・健康づくり時代に求められるライフコースアプローチとワクチン・エクイティの視点から-.pdf

日本医療政策機構は、我が国の予防接種・ワクチン政策に関する提言を発表しました。
この提言は、予防・健康づくり時代に求められるライフコースアプローチとワクチン・エクイティの視点から、現行制度の抜本的な見直しを求めるものです。
全てのライフステージにおいて、ワクチンで予防可能な疾患から人々を守るための公平な接種機会の確保が喫緊の課題として浮上しています。

予防接種・ワクチンは、「医学史上最高の発明」の1つと称され、感染症対策として最も費用対効果の高い手段の一つである。これまで、乳幼児期や学童期を中心に展開されてきた予防接種政策は、人々の健康と社会経済の安定に大きく貢献してきた。しかし、ワクチンで予防可能な疾患(VPD: Vaccine Preventable Diseases)は多岐にわたり、全てのライフステージ(乳幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期)に対応できる予防接種制度が求められている。
(<政策提言>我が国の予防接種・ワクチン政策の課題と展望-予防・健康づくり時代に求められるライフコースアプローチとワクチン・エクイティの視点から-.pdf, Page 3)

主要な論点と政策的含意

今回の提言では、主に三つの重要な課題が提起されています。

一つ目は、定期接種化の基準明確化と制度の見直しです。
水痘ワクチンの事例では、2014年の定期接種化後、わずか1年で接種率が30~40%から95%以上に急上昇し、患者数が大幅に減少しました。
しかし、この移行には約30年もの時間を要し、定期接種化の基準が不透明であったことが課題とされています。
また、高齢者向けの定期B類ワクチン、例えば肺炎球菌ワクチンの接種率は2022年時点で33.5%と低水準に留まっています。
政策的な含意としては、定期接種化の判断基準を明確にし、透明性のあるプロセスを確立することが求められます。
これにより、予防接種の迅速な導入と、特に高齢者向けの定期B類ワクチンの接種率向上に向けた動きが加速する可能性があります。

任意接種から定期接種の枠組みへの移行(定期接種化)は接種率を向上させ、人々の健康保持にも大きく貢献してきた。例えば、水痘ワクチンは2014年に定期接種化され、わずか1年で接種率が30~40%から95%以上に急上昇し、患者数や合併症の大幅な減少に繋がった。しかし、定期接種化の基準が不透明であったことも影響し、移行が決まるまでには約30年もの時間を要した。
(<政策提言>我が国の予防接種・ワクチン政策の課題と展望-予防・健康づくり時代に求められるライフコースアプローチとワクチン・エクイティの視点から-.pdf, Page 4)

定期A類は原則無料で実施され、90%以上の接種率も目立つが、定期B類は一定程度の自己負担等も影響して、接種率が50%を下回る場合もある。定期B類の高齢者用肺炎球菌ワクチンの接種率は2022年時点で33.5%と、一部の任意接種と同程度かそれ以下の水準に留まっている例もある。
(<政策提言>我が国の予防接種・ワクチン政策の課題と展望-予防・健康づくり時代に求められるライフコースアプローチとワクチン・エクイティの視点から-.pdf, Page 5)

二つ目は、市町村間の接種機会格差の是正です。
定期接種事業は各市町村の自治事務であり、地方交付税を基に事業が実施されますが、予算配分は市町村の政策優先度に委ねられています。
そのため、市町村ごとに接種機会に格差が生じているのが現状です。
定期A類は国が接種費用の約90%を負担し、残りの10%は市町村が負担していますが、この10%分の負担継続が課題とされています。
定期B類に至っては、国の負担が約30%に留まり、残りの約70%は市町村と市民が負担するため、自己負担額に地域間で大きな差があります。
例えば、肺炎球菌ワクチンの自己負担額は、市町村によって1,500円から5,000円と大きな幅があります。
政策的な含意としては、国と地方自治体が一体となって予防接種財政を充実させることが急務です。
これにより、法定受託事務への転換や特定財源の設置が議論され、居住地による不公平が解消される可能性があります。

定期接種事業は、各市町村が主体となって行う自治事務である。市町村は、単年度の一般財源である地方交付税を基に事業を実施する。しかしながら、地方交付税の使い道は自治体に一任されるため、各市町村内での政策的な優先度に応じて予算配分が決まる。そのため、必ずしも定期接種事業に潤沢な予算が配分されるとは限らず、事業の安定性や継続性が確保されにくい。結果として、市町村ごとに接種機会の格差が生じている。
(<政策提言>我が国の予防接種・ワクチン政策の課題と展望-予防・健康づくり時代に求められるライフコースアプローチとワクチン・エクイティの視点から-.pdf, Page 6)

定期A類は、国が接種費用の およそ90%を負担し、残り10%はほぼ全ての市町村が自主的に公費で負担している。
(<政策提言>我が国の予防接種・ワクチン政策の課題と展望-予防・健康づくり時代に求められるライフコースアプローチとワクチン・エクイティの視点から-.pdf, Page 6)

定期B類は、国が負担する接種費用はおよそ30%に留まり、残りの約70%は市町村及び市民が負担する。しかし、市町村が公費で負担する金額と市民が支払う自己負担の金額のバランスは市町村ごとに全く異なる。
(<政策提言>我が国の予防接種・ワクチン政策の課題と展望-予防・健康づくり時代に求められるライフコースアプローチとワクチン・エクイティの視点から-.pdf, Page 6)

三つ目は、ライフコースアプローチに基づく予防接種制度全体の再設計です。
現在の予防接種制度は、乳幼児・児童期(定期A類)と高齢期(定期B類)に重点が置かれており、青年期や成人期には制度上の空白があります。
例えば、海外渡航時に必要なワクチンや、医療・福祉機関での就職時に求められるワクチンなどは、全て任意接種で自己負担です。
また、造血幹細胞移植などで免疫が消失した患者への再接種支援は、2018年時点で全国の自治体のわずか5.2%(89自治体)にとどまり、対象もほぼ未成年者に限定されています。
しかし、造血幹細胞移植の年間実施件数は約6,000件に上り、その半数以上が50歳以上の患者です。
政策的な含意としては、生涯を通じた予防接種の概念(ライフコースアプローチ)に基づき、制度全体を再設計することが期待されます。
これにより、青年期・成人期への接種機会の拡大や、疾患リスクを抱える人々への再接種支援が国主導で推進されることになる可能性があります。

前述の通り、定期接種はまん延予防に比重を置いた定期A類と個人の発病や重症化予防に比重を置いた定期B類に区分される。しかし、現実には、定期A類は乳幼児、児童期の急性感染症予防が中心であり、定期B類は高齢期の個人予防に重点が置かれている。そのため、青年期、成人期の接種機会が十分に考慮されていない。
(<政策提言>我が国の予防接種・ワクチン政策の課題と展望-予防・健康づくり時代に求められるライフコースアプローチとワクチン・エクイティの視点から-.pdf, Page 8)

造血幹細胞移植等の医療行為によって免疫が消失した患者に対する再接種支援は、現在限られた自治体でのみ提供されている。全国の自治体のうち、再接種費用助成制度を運用しているのは2018年時点でわずか5.2%(89自治体)であった。その後、制度を採用した自治体は3倍以上に増加したが、制度の対象は変わらずほぼ未成年者に限定されている。一方で、造血幹細胞移植の年間実施件数は約6000件に上り、その半数以上が50歳以上の患者である。
(<政策提言>我が国の予防接種・ワクチン政策の課題と展望-予防・健康づくり時代に求められるライフコースアプローチとワクチン・エクイティの視点から-.pdf, Page 9)

今後の展望

予防接種政策は、予防接種法だけでなく、地方自治法、健康増進法、成育基本法など、複数の法令や計画と深く関係しています。
これまでの政策議論は主に分科会の枠組みで行われてきましたが、その範囲に限定されがちでした。
今後は、厚生労働省、総務省、財務省、文部科学省、子ども家庭庁をはじめとする多様な関係者が参加する総合的な議論が求められます。
エビデンスに基づく制度評価の強化も不可欠であり、制度評価の前提と実態とのギャップを解消し、費用対効果評価の改善も期待されます。
国が主導し、多様なステークホルダーとの緊密な連携のもと、持続可能で公平な予防接種制度の設計と運用が実現されることを期待します。

日本の予防接種政策は、予防接種法だけではなく、地方自治法、地方交付税法、高齢者医療確保法(医療費適正化計画)、健康増進法(健康日本21)、成育基本法等、複数の法令や計画と深く関係している。
(<政策提言>我が国の予防接種・ワクチン政策の課題と展望-予防・健康づくり時代に求められるライフコースアプローチとワクチン・エクイティの視点から-.pdf, Page 12)

厚生労働省、総務省、財務省、文部科学省、子ども家庭庁等の各関係省庁や部局、医療、法律、教育、公衆衛生の学術関係者、地方行政や地方財政関係者、医療従事者、産業界、さらには国や地方の立法府関係者、市民等、関連する多様なステークホルダーが参加する総合的な議論が必要である。
(<政策提言>我が国の予防接種・ワクチン政策の課題と展望-予防・健康づくり時代に求められるライフコースアプローチとワクチン・エクイティの視点から-.pdf, Page 13)

⬇️医療政策ウォッチャーとは?⬇️

「医療政策ウォッチャー」の歩き方(Podcast・Web・メンバーシップ)|木内 翔太 / Shota KIUCHI
📕どんなメディア? 薬剤師・医療者・アカデミア・ヘルスケアビジネスなどの「健康」に関わるすべての方々のために、厚生労働省やWHOの医療政策ニュースを「要約」してお届けしています。 🎧 無料Podcast(ながら聴き用) 移動中や家事の合間に...

本記事は生成AI(NotebookLM)を使用して執筆しております。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました