厚生労働省、定期健康診断の見直し案を公表 ―5つの主要ポイントを解説

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厚生労働省の「労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会」は、定期健康診断の見直しに関する報告書案をとりまとめました。 今回の見直しは、労働者の高齢化や女性の就業率上昇といった社会情勢の変化、および最新の医学的知見を踏まえたものです。 政府の規制改革推進会議などからの指摘を受け、既存の検査項目の削除や新規追加について、エビデンスに基づいた慎重な議論が重ねられました。 この会議で整理された主要な論点と合意事項について、5つのポイントに分けてお伝えします。

引用

1. 血清クレアチニン検査の新規追加

一つ目のポイントは、腎機能の評価に関する変更です。 これまで腎臓の検査としては尿中の蛋白(タンパク)の有無を調べる尿検査のみが必須でした。 しかし、尿蛋白が出ていなくても腎機能が低下している「隠れ腎臓病」の患者が一定数存在することが明らかになっています。 日本腎臓学会の提案を受け、新たな検査項目として「血清クレアチニン検査」を追加することが適当であると結論づけられました。 この検査は、血液検査によって腎臓のろ過機能を数値化するものです。 ただし、40歳未満の若年層については尿蛋白検査での異常が主体であることなどから、医師が必要でないと認める場合は省略可能とされます。

政策的な含意:従来の尿検査では見逃されていた腎臓病の早期発見が進み、人工透析の導入を防ぐなどの重症化対策が強化される見通しです。

2. 女性特有の健康課題に関する問診の追加

二つ目のポイントは、働く女性の健康支援です。 女性の就業継続を支援するため、一般健康診断の問診票に、月経困難症や更年期障害などの女性特有の健康課題に関する質問を追加することが適当とされました。 具体的には、「女性特有の健康課題で職場において困っていることがありますか」という質問を設け、「はい」と回答した労働者に対して医師が専門医への受診を促します。 この際、労働者のプライバシー保護が重要な論点となりました。 そのため、問診の結果は健診機関から事業者へ直接提供せず、労働者本人の気づきを促すことを主目的とします。 事業者が情報を把握するのは、労働者が自ら申し出た場合や、集計データとして個人が特定されない形で提供される場合に限定するなど、配慮が徹底されます。

政策的な含意:女性特有の不調が可視化されることで、専門医への受診や職場での配慮が受けやすい環境へと変化が促されます。

3. 胸部エックス線検査と心電図検査の継続

三つ目のポイントは、既存の主要な検査項目の取り扱いです。 規制改革推進会議からは、胸部エックス線検査や心電図検査の削除を含めた見直しの提案がなされていました。 しかし検討会では、これらの検査を引き続き実施することが適当であると判断しました。 胸部エックス線検査については、結核の罹患率が依然として警戒すべき水準にあることや、結核高まん延国からの外国人労働者の増加が背景にあります。 入国前のスクリーニングだけでは発症を捉えきれないケースもあり、職場での集団感染を防ぐために維持が必要とされました。 心電図検査についても、過重労働が増悪因子となる心疾患のスクリーニング機能や、脳梗塞の原因となる心房細動の早期発見に有用であるとの医学的見解が支持されました。

政策的な含意:規制改革による削除提案を退け、高齢化や外国人労働者の増加に対応した感染症・心疾患対策の網が維持されます。

4. 喀痰(かくたん)検査の廃止

四つ目のポイントは、結核検査の一部見直しです。 現在、胸部エックス線検査などと併せて行われている「喀痰検査」については、廃止することが適当とされました。 現状の実施率は1.1%と極めて低く、実施されている検査の多くも結核目的ではなく肺がん検診目的である実態が指摘されました。 また、痰(たん)の採取自体が難しく、受検者の負担も大きいという課題がありました。 今後は、胸部エックス線検査で結核が疑われた場合に、健診の枠組みで喀痰検査を行うのではなく、速やかに医療機関への受診を勧奨する運用へと切り替わります。

政策的な含意:実施率が低迷していた検査を廃止し、医師による受診勧奨へ切り替えることで、健診の効率化と早期治療への誘導が図られます。

5. 歯科健診および眼底検査の導入見送り

五つ目のポイントは、新規導入が見送られた項目です。 日本歯科医師会からは歯周病などの歯科健診、日本眼科医会からは緑内障発見のための眼底検査の導入が提案されていました。 しかし、労働安全衛生法に基づく健康診断は、業務が原因で発症・増悪する疾病の防止を目的としており、事業者に全額費用負担の義務があります。 検討の結果、これらの疾患については、業務との明確な因果関係を示すエビデンスが、現時点では日本人を対象としたデータとして十分ではないと判断されました。 そのため、法律に基づく一律の義務化は困難であると結論づけられました。 ただし、口腔機能や視機能の維持は労働者の健康にとって重要であるため、普及啓発の強化や、自主的な受診勧奨を進める方向性が示されています。

政策的な含意:業務との直接的な関連性が認められなかったことから、一律の義務化は見送られ、自主的な健康管理や啓発活動への重点化にとどまります。

また、その他の変更点として、肝機能検査の項目名が国際基準に合わせて変更されます。 これまで「GOT」「GPT」「γ-GTP」と呼ばれていた項目は、それぞれ「AST」「ALT」「γGT」へと名称が統一されることになります。 今回の報告書案は、労働者の健康確保と事業者の負担、そして医学的根拠のバランスを慎重に考慮した内容となっています。 厚生労働省は今後、この報告書に基づき、関係法令の改正やガイドラインの策定作業を進めることになります。

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本記事は生成AI(NotebookLM)を使用して執筆しております。

 

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