医道審議会、「睡眠障害」診療科名追加へ議論開始 – 国民ニーズと専門性確保が焦点

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厚生労働省の医道審議会医道分科会診療科名標榜部会が、令和8年1月15日に開催されました。この会議では、国民の健康増進と医療アクセスの向上を目指し、「睡眠障害」を新たな診療科名として追加することの妥当性が議論されています。

引用

第7回 医道審議会医道分科会診療科名標榜部会 議事次第
議題 1. 睡眠障害について

今回の議論は、日本睡眠学会からの要望を受けて行われました。同学会は、国民・患者の睡眠障害に関する医療アクセスを向上させるため、既存の診療科名と組み合わせて「睡眠障害」を標榜できる用語として追加することを求めています。

今般、日本睡眠学会より、関係学会の賛同を得たうえで、単独で標榜可能な診療科名と組み合わせて標榜できる用語として、新たに「睡眠障害」を追加することについてご要望をいただいた。


議論の主要な論点として、まず「睡眠障害」標榜の必要性が挙げられました。日本睡眠学会による大規模な疫学調査や国民健康栄養調査では、不眠や日中の眠気など、睡眠に関する悩みを抱える国民が多数存在することが示されています。また、睡眠に課題を感じている人の80%以上が「睡眠障害科があれば受診したい」と回答しており、高い国民ニーズが明らかになっています。

政策的な含意としては、この診療科名が加わることで、国民が自身の睡眠の悩みを抱えた際に、適切な医療機関を選択しやすくなり、早期受診につながる可能性があります。

本邦における大規模な疫学調査によると、不眠を訴える人は国民の23.5% (Kaneita Sleep 2006) であり、2019年の国民健康栄養調査でも「睡眠の質に満足できなかった」と答えた人の割合が21.8%、「日中眠気がある」と答えた人の割合は 34.8%と睡眠に関する悩みが多いことが報告されてきました。

抱えている睡眠課題に関して医師に診てもらいたいと思っている人の中で、睡眠障害科があれば受診しようと思う人は全体で80.4%

次に、「睡眠障害」が独立した診療分野として妥当であるかどうかが検討されました。国際疾病分類第11版(ICD11)では、睡眠覚醒障害が精神疾患や神経疾患とは独立した疾患として分類されており、睡眠医療が国際的に独立した分野として認識されつつあることが示されています。

政策的な含意としては、国際的な疾病分類の動向に合わせた国内の医療体制整備が進み、睡眠医療の専門性がより明確に位置づけられることが期待されます。

1990年に公表された国際疾病分類第10版(ICD10)では、睡眠障害は「精神及び行動の障害」の大分類(Fコード)と、「神経系の疾患」の大分類(Gコード)に分けて分類されていましたが、2018年に公表された第11版(ICD11)では、睡眠覚醒障害は精神疾患や神経疾患とは独立した疾患として新しい章(第7章)に分類されることになり、さらに、内分泌、栄養及び代謝疾患(Eコード)に分類されていた、肥満低換気症候群も睡眠・覚醒障害の章に統合されています。睡眠覚醒障害を独立した疾患群とするのは世界の共通認識となりつつあり、日本でも独立した診療分野を形成していると考えます。

一方で、診療科名追加に伴う専門性確保と質の担保に関する懸念も示されました。現在の制度では、麻酔科を除き、厚生労働省が示す診療科目の中から自由に標榜できるため、専門的知見を持たない医師が「睡眠障害」を標榜した場合、質の担保されていない診療が広がる可能性が指摘されています。日本睡眠学会は、2002年から認定医・専門医制度を運用し、関連学会との連携を通じて専門医の育成と生涯教育に取り組んでいます。

政策的な含意としては、診療科名追加と同時に、専門医制度のさらなる強化や、多職種・多科連携の推進、質の担保のための具体的な仕組み作りが喫緊の課題となるでしょう。

日本睡眠学会は、国民・患者の睡眠障害の診療を行う医療機関へのアクセスを向上させる観点から、医療法で定められる標榜可能な診療科名について、内科、精神科等の単独で標榜できる診療科名と組み合わせて標榜できる用語の1つとして新たに「睡眠障害」を追加し、「睡眠障害内科」、「睡眠障害精神科」あるいは「内科(睡眠障害)」、「精神科(睡眠障害)」等の標榜を可能とすることを要望いたします。

日本睡眠学会は2002年より認定医/専門医制度を運用しておりますが、今回の要望書の共同提案の各学会員である精神科医、呼吸器内科医、循環器内科医、耳鼻咽喉科医、小児科医、神経内科医などが専門医を取得して各種睡眠覚醒障害の診療と研究、普及啓発に取り組んでおります。2023年には日本睡眠学会指導医の制度も創設し、専門医の育成・認定と生涯教育を通じた良質で適切な睡眠医療を提供できるよう取り組んでおります。

日本の現行制度の下では、専門医や学会の認定等資格がなくても、麻酔科以外は厚生労働省が示す診療科目の中から自由に標榜できる。そのため、現在の制度下で「睡眠障害」の標榜を認めた場合、「睡眠障害」に係る専門的知見を持たない医師であっても、「睡眠障害」を標榜することができる。入眠困難、中途覚醒等睡眠に問題を抱える国民が少なくないことを前提とすると、集患を求めて、「睡眠障害」に係る知見や診療態勢を持たない医師・医療施設が「睡眠障害」を標榜することも考えられる。そうした医師等が標榜した場合、質の担保されていない診療が、社会的に広がる可能性がある。具体的には、今以上に安易な睡眠薬の処方・投与である(睡眠薬の処方・投与は保険医療の下でなされるからひいては医療費の増加につながる)。また、睡眠薬は従来から違法に取引されており、そのリスクも増大するであろう。専門医でなければ「睡眠障害」を標榜できないとするのが最善であるが、それができない現行制度下にあっては、質を担保する何らかのシステムを構築する必要がある。質を担保するためのシステムとして考えられているものがあれば教えてほしい。

さらに、患者への適切な情報提供の重要性も議論されました。診療科名が分かりやすくなることで受診しやすくなる反面、うつ病などの背景疾患が見逃されたり、一般の人が「睡眠障害」という看板を見て安易に受診したりする懸念が示されています。

政策的な含意としては、診療科名が追加された場合でも、患者が自身の病状を適切に判断できるよう、情報発信の強化や、かかりつけ医による初期スクリーニングと専門医への適切な紹介といった病診連携の仕組みがより重要になります。

うつ病が原因の不眠症患者が「内科(睡眠障害)」を受診した場合、うつ病と診断されずに根本治療が遅れるケースもあるのではないか。やはり一般の人は「睡眠障害」の看板があれば、どこを受診しても問題を解決してくれると思いがちである。本当はかかりつけ医がその辺を見極めて紹介するのがいいと思うが、若い人や健康な人ではかかりつけ医がいない人が多く、自分で判断しての受診となることが予想される。受診のめやすのための適切な情報発信を期待する。

睡眠障害の原因が口腔にある場合の診断・治療、また睡眠時無呼吸症候群の治療のための口腔内装置の製作・管理は歯科医師の参画が必要となる。医科歯科連携のためにどのようなシステム構築を念頭に置かれているか。また、互いの連携に必要な医科知識、歯科知識を共有させる方策についても伺う。


今後のスケジュールとしては、令和7年9月から始まった部会での議論が令和8年3月頃にまとめられ、改正条文案が提示される予定です。その後、医学医術に関する学術団体への意見照会、パブリックコメントを経て、改正法令が公布・施行される見込みです。

政策的な含意としては、このプロセスを通じて、国民のニーズに応えつつ、医療の質と安全を確保するための慎重な検討が求められるでしょう。

今後の議論の進捗状況等によって、スケジュールは大きく変わりうるものである

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本記事は生成AI(NotebookLM)を使用して執筆しております。

 

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