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厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会は、令和7年12月15日、次期介護保険制度改正に向けた「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」を提示しました。 2040年に高齢者人口がピークを迎えることを見据え、制度の持続可能性とサービス提供体制の確保が急務となっています。 今回の会議で示された主要な論点と今後の方向性を、5つのポイントに整理してお伝えします。
1. 中山間・人口減少地域におけるサービス確保の特例
政策的な含意:過疎地等において、人員配置の緩和や月額定額報酬の導入など、サービス維持のための特例措置が本格的に始動します。
人口減少が加速する地域では、介護サービスの担い手不足や経営の厳しさが深刻化しています。 これに対応するため、国は地域を「中山間・人口減少地域」「大都市部」「一般市等」の3つに類型化し、それぞれの実情に応じた対策を講じる方針です。 特に中山間・人口減少地域については、サービスを維持するための新たな柔軟策が提案されました。 具体的には、ICT機器の活用などを前提に、管理者や専門職の常勤要件を緩和する「特例介護サービス」の新たな類型を設けます。 また、利用者の急なキャンセルや移動コストの負担といった経営リスクを軽減するため、訪問介護などにおいて月単位の定額払いを選択可能にする「包括的な評価」の導入も検討されています。 さらに、通常の給付によるサービス提供が困難な場合には、市町村が主体となって事業としてサービスを提供する仕組みも創設される見通しです。 これらの措置により、過疎地域でも住民が必要な介護を受け続けられる体制の確保を目指します。
2. 有料老人ホームの規制強化と運営の透明化
政策的な含意:介護ニーズの高い入居者を受け入れるホームに対し、行政による事前規制や監視体制が強化されます。
有料老人ホームは多様な介護ニーズの受け皿として重要性が増していますが、一部で過剰なサービスの提供や、職員の一斉退職による運営危機などの問題が指摘されています。 こうした課題に対応するため、中重度の要介護者や医療ケアが必要な高齢者を受け入れる有料老人ホームに対し、新たに「登録制」などの事前規制を導入する方向で議論が進んでいます。 入居者の安全を守るため、職員配置や設備に関する基準を法令で設けるとともに、事業の更新制や不正時の開設制限なども検討されます。 また、いわゆる「囲い込み」対策として、併設する介護事業所への誘導を禁止する措置や、ケアマネジメントの独立性を確保する仕組みも強化されます。 さらに、入居者紹介事業者についても、透明性を確保するための認定制度の創設が提案されており、利用者が安心して住まいを選べる環境整備が進められます。
3. ケアマネジャーの資格更新制廃止と研修の見直し
政策的な含意:ケアマネジャーの資格更新制が廃止され、研修受講の負担が軽減される一方、専門性の維持が課題となります。
介護現場の要であるケアマネジャーの人材確保は喫緊の課題です。 現行制度では、5年ごとの資格更新時に研修の受講が義務付けられていますが、この負担が大きく、人材離れの一因ともなっていました。 今回の意見案では、法定研修の受講を要件とした有効期間の更新制を廃止することが適当とされました。 ただし、専門職としての質を維持するため、定期的な研修受講自体は引き続き求められます。 更新制と研修受講の紐付けをなくすことで、研修未受講による資格喪失を防ぐ狙いがあります。 あわせて、研修時間の短縮や分割受講の導入など、受講しやすい環境整備も進められます。 また、新たな人材の参入を促すため、実務研修受講試験の受験資格となる実務経験年数を、現行の5年から3年に短縮する案も示されました。
4. 利用者負担「2割」対象の拡大と金融資産の勘案
政策的な含意:利用者の負担能力に応じた公平性を確保するため、2割負担の対象者が拡大されるとともに、預貯金などの資産も判断基準に含まれる可能性があります。
介護費用の増大に伴い、現役世代の負担を軽減し、世代間の公平性を図ることが求められています。 現在、所得が一定以上の利用者は2割負担となっていますが、この対象範囲を拡大する議論が行われています。 具体的には、対象となる所得基準を引き下げ、より多くの利用者に2割負担を求める方向で検討が進んでいます。 ただし、急激な負担増を避けるための配慮措置もセットで提案されています。 例えば、新たに2割負担となる人に対して負担増加額に上限を設ける案や、預貯金が一定額以下の場合は申請により1割負担に戻す案などが示されました。 特に、これまで所得のみで判定していた利用者負担に、金融資産の保有状況を反映させる仕組みの導入は大きな転換点となりそうです。 これらの見直しについては、2027年度の次期計画期間開始までに結論を得るとしています。
5. 補足給付と多床室室料の見直し
政策的な含意:施設入所者の食費・居住費負担が見直され、低所得層の一部や多床室利用者において負担が増加する見通しです。
低所得の施設入所者に対して食費や居住費を助成する「補足給付」についても、見直しが提案されています。 負担能力に応じたより公平な仕組みとするため、所得段階の区分を細分化し、一部の層で本人負担額を引き上げる方向です。 具体的には、現在の第3段階をさらに細かく分け、年金収入等が一定額を超える層に対しては、負担限度額の上乗せを行うことが検討されています。 また、介護老人保健施設や介護医療院の多床室(相部屋)についても、令和7年8月から新たに室料負担が導入されることが決まっており、在宅サービス利用者との負担の公平性が図られます。 一方で、低所得者への影響を考慮し、補足給付による負担軽減措置は維持される見込みです。
以上、社会保障審議会介護保険部会の資料に基づき、介護保険制度見直しの主要な論点をお伝えしました。
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本記事は生成AI(NotebookLM)を使用して執筆しております。

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