高額療養費制度見直し案まとまる 公平性とセーフティネット維持が焦点に

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専門委員会が最終提言案 世代間の公平性とセーフティネット維持が焦点

厚生労働省の「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」は、2025年12月8日に第7回会合を開き、制度見直しの基本的な考え方案を取りまとめました。この案は、高齢化と医療の高度化に伴い増大する医療費に対応するため、全ての世代が能力に応じて支え合う「全世代型社会保障」の理念に基づいています。見直しは、現役世代の保険料負担の軽減を図ることを主な目的としています。

ただし、政府は患者団体などからの意見を受け、2025年8月に予定されていた定率改定を含む見直し全体の実施を見合わせています,。今後は2025年秋までに改めて方針を検討し、決定することとされています。

今回の専門委員会では、患者団体の代表者や保険者、学識経験者など多様な委員が参画しました,。長期療養者の負担事例などを踏まえ、多角的な議論が行われました。

引用

主要な検討方向と政策的な含意

専門委員会で議論された主要な検討方向、合意事項、そして今後の政策的な含意は以下の通りです。

1.制度の堅持と医療保険制度全体での改革

高額療養費制度は、患者や家族にとって不可欠なセーフティネットであり、今後も堅持すべきであるという点が、委員会で改めて確認されました。しかし、高齢化や高額薬剤の普及により医療費が増大する中、制度の持続可能性を確保するための改革は避けられないという認識で一致しました。その際、高額療養費制度単体ではなく、他の項目も含めた医療保険制度全体の中で議論を進めるべきとしています。

政策的な含意: 国民の安心を保障するセーフティネット機能は維持されつつも、財政持続のために保険料負担の抑制を目的とした制度全体の見直しが進められます。

2.所得に応じたきめ細かい限度額設定

現行の自己負担限度額の所得区分が、所得水準の異なる層で一律に扱われるなど大括りである点が課題とされました。このため、応能負担の考え方を徹底する観点から、住民税非課税区分を除く各所得区分を例えば3区分に細分化することが適当であるとされています。細分化に伴い、限度額を引き上げる必要性も理解されるとしています。

政策的な含意: 所得の高い層はよりきめ細かく所得に応じた負担増が見込まれ、負担能力に応じた公平性の確保が目指されます。

3.長期療養者への配慮の維持・強化

高額療養費制度は、特に療養期間が長期にわたる患者にとって「なくてはならない制度」です。長期療養者への経済的配慮から、直近12か月間に3回以上高額療養費が支給された場合の「多数回該当」の限度額については、現行水準を維持すべきとされました。また、限度額見直しで多数回該当から外れてしまう患者が出ないよう、新たな「年間上限」を設けることも検討されています。

政策的な含意: 慢性疾患などで長期間にわたり高額な治療を続ける患者の負担は据え置かれる方向で、新たな年間負担上限制度の導入により、長期・多額な医療費負担への配慮が強化される可能性があります。

4.高齢者外来特例の見直しと対象年齢の検討

70歳以上の高齢者のみに設けられている外来特例(月額上限・年額上限)について、現役世代の保険料負担軽減や健康寿命の延伸を考慮し、見直しが避けられないという方向性で概ね一致しました。上限額について応能負担の視点から見直しを行うほか、対象年齢の引き上げも視野に入れるべきと議論されました。ただし、高齢者の経済的負担に急激な変化が生じないよう、医療保険制度全体の議論と歩調を合わせ、慎重な検討が必要とされています。

政策的な含意: 高齢者の外来自己負担が増加する見込みであり、特に所得のある層は現役世代との公平性を図るため、特例制度が縮小・見直されることになります。

5.医療費コストの「見える化」と特定疾病特例の継続検討

高額療養費が現物給付化されたことで、患者が医療費総額を意識しにくくなっているという意見が、当事者や保険者から出されました。このため、患者に対し、総医療費や高額療養費として還付された金額といった全体像の「見える化」を進めることが重要とされています。さらに、医療の高度化に伴う疾病構造の変化を踏まえ、高額長期疾病(特定疾病)に係る特例の在り方についても、今後継続的に検討が必要であると指摘されました。

政策的な含意: 患者や医療関係者が医療費のコストを意識するための情報提供の仕組みが検討され、また、長期高額な治療が必要な特定疾病患者への支援の枠組み全体が将来的に再検討される可能性があります。

制度見直しの背景

国民医療費は、2022年度に48.8兆円に達するなど増加傾向にあり、高額療養費の支給総額も同年には約2兆9,700億円に上っています。特に、近年の医療費高騰の背景には、超高額な医薬品の開発・普及があります。例えば、遺伝性網膜ジストロフィー治療薬(薬価約4,960万円)や白血病治療薬(薬価約3,265万円)といった高額薬剤が保険適用されています。

がん治療の高度化も医療費増加の大きな要因です。切除不能進行胃がんの標準治療を例にとると、約10~15年前と比較して月額治療費が10~15倍に増加しているとの調査結果も示されています。

専門委員会は、具体的な金額設定については医療保険制度改革全体の議論を踏まえて行うとしつつ、制度の持続可能性を確保しつつ、患者の生命に関わるセーフティネットを維持するための議論は、今後も継続される見通しです。

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本記事は生成AI(NotebookLM)を使用して執筆しております。

 

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