雨の日の便箋 #014

雨の日の便箋

 以前よりアピールさせていただいている通り、私は動物全般が恐怖寄りで怖い。しかしそんな私が、なんと野鳥に興味を持つようになった。親友の旦那さんが無類の鳥好きで、去年の夏、私たちの住む田舎に来られた際に、この地域には野鳥の数が多いことを教えてもらった。それからは、今まで何気なく通っていた通勤路で野鳥を見つけると嬉しくなった。

 川が多いこの地域で、アオサギをよく見る。2月には雪の降る寒い川で、泳ぐ鴨の後ろ姿に伸びる水面の揺らぎに、命の愛しさを感じた。そんな鴨たちを監視するかのように、陽が射す雪の川辺で凛と立つ3匹の川鵜。 3月は初めて雄のキジを見た。4月は鶯の声に気づいた。5月、田植え前の静かな田んぼに、夕焼けで浮き上がるシラサギの輪郭。

 動物に無頓着だった私が、鳥の気配を感じるようになった。また、野鳥を見るということは、木々や草花などの自然にも目がいき、別の新しい発見もある。狭かった私の世界が広がるきっかけをいただき、大感謝である。

てくてく通信 2025年7月9日号掲載







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筆者 

名前:ゆうこりん
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