薬剤師で東大SPHに在学している越川翔太です。
数ある記事の中から選んでくださりありがとうございます。
今回は薬剤師が東大SPHに進学した2年間で経験したこと(キラキラしたところ)をまとめました。
1. 履修した授業について
SPHの授業はどれも魅力的なものが多いことと、私が聴講だとあまりコミットできない性格のため、最低修了単位数よりは多く履修しました。2年間で計44単位(最低修了単位数:30単位)を履修しました。
成績は…思ったようなレベルは達成できませんでしたが、もし今後留学する際にGPAが必要となった場合でも(それほど)足を引っ張らないくらいには取れたのではないか?と(楽観的に)考えています。
色々な講義を興味のままに取った経験は、自分が考えることのできる領域を広くしてくれたと実感しています。また、私は新しい知識を得ることに喜びを感じるということも知ることができました。
新しい知識を得る上で一番大変な過程が、ゼロ→1の箇所だと考えています。この過程を一流の講師陣に教えていただける環境は素晴らしい環境だな、と考えています。
(注意しなくてはいけないことは、あくまでゼロが1になっただけです。これで知った気になってはいけず、社会に役立つレベルへの到達には追加で自己学習が必要です。自分に常に言い聞かせています)。
2.臨床業務と自分のスタンスについて
臨床薬剤師としての活動拠点は、大学病院から薬局に移りました。薬剤師としての臨床業務と自分のスタンスの変化について振り返ってみようと思います。
2-1.薬物療法の効果(有害事象も含む)を検討する
新卒で大学病院に勤務していた際は、薬物療法の効果の探求が臨床業務での主眼でした。薬物療法への妥協しない文化・姿勢を得ることが出来たのは、私の臨床薬剤師としての基礎を形成してくれたな、と考えています。
2-2.使用方法・金額・アクセスも含めた薬物療法の効果(有害事象も含む)を検討する
大学院進学に伴って薬局に非常勤で勤務している現在では、薬物療法の効果のみならず、使用方法(服薬アドヒアランス)・金額・薬物療法へのアクセスを考慮に入れて考えることが主眼となっています。
この変化は大学病院と薬局の医療の変化(高度医療からプライマリ・ケア)に、大学院での学び(パブリックヘルス)が加わったことによるものなのだろうと考えています。
今の私のスタンスが、私は好きです。今後も変化していく自分のスタンスが楽しみですね。
3.大学院に進学してから経験した課外活動について
大学院に進学してから経験した課外活動について振り返ります。こうして振り返ってみると色々な経験をし、現在の私を作っているなあ、と思っています。
受け入れてくださった先生方には感謝しきれません。本当にありがとうございました。
3-1.国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所(短期インターンシップ)
3-2.国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 研究所(長期インターンシップ)
「ナショナルセンター」という組織の役割を学ぶことができました。政策立案に対してエビデンスを提示する流れを体験しました。
大学以外の研究機関の「研究への姿勢」を見学させていただいたことは大きな学びとなりました。
3-3.WHO Kobe Centre (Summer School)
大学院で学んでいるパブリックヘルスの視点だけでなく、グローバルヘルスの視点を得ることができました。自分の視点のマクロ・ミクロを意識付けするきっかけとなりました。
英語をもっと頑張らねば…!と痛感しました。
3-4.ヘルスケアベンチャー(長期インターンシップ)
なんと私のサイト記事を社長がお読みくださり、お声かけいただいてスタートしました。事業開発の調査補佐を通じて、「いかにビジネスを構築していくか」という現場を間近で体験いたしました。
この「なにかを構築する」という経験は自分の活動に応用しています。
3-5.笹川保健財団 笹川みらい塾(Summer School)
長崎で4泊5日の合宿を通じて、歴史・人権・文化・健康などを学ぶコースでした。健康からさらに色々な領域に拡大した議論をしたのがとても刺激的で楽しかったです。
自分の見ている・考えている事象の違う側面を想像することを行う習慣がつきました。
3-6.地域薬剤師会主催 区民向け健康講座講師(2年間で3回担当)
地域の薬剤師会が主催する区民向け健康講座の講師を担当いたしました。講師をする難しさ、楽しさ、やりがいなどを経験することができました。
一方で「参加してくれる方は健康意識が高い方」という担当者の苦悩も聞くことができ、ヘルスプロモーションの難しさも経験しました。
3-7.地域薬剤師会 薬薬連携協議会 シンポジウム発表
都内の近隣薬剤師会の合同開催による薬薬連携シンポジウムにて発表いたしました。実は薬学実習生の頃に参加し憧れていたシンポジウムにて、自分が発表することができて胸アツな展開でした…!
ミニマムにですが、文献レビュー・アンケート調査・政策調査をして考察して発表をできたことは、自分なりに成長を感じて嬉しかったです。
その後評価をいただき、薬薬連携協議委員にご推薦いただきました。
※その後、医療薬学会フレッシャーズ・カンファランスでも発表させていただきました。
3-8.日本プライマリ・ケア連合学会への参加(シンポジウム発表・学会スタッフ)
臨床現場の状況をシンポジウムで発表したり、学会のイベントのスタッフを担当したりしました。プライマリケアとパブリックヘルスは親和性が高いなあ、と思いながら参加しています。
今後は頑張って学会発表ができるように研究を計画しているところです。
3-9.社会疫学の抄読会の開催(教科書を読んでミニレクチャーを担当)
有志で開催されている「社会疫学」という教科書の抄読会に参加しています。
教科書を読んで、内容を抜粋するミニレクチャーを担当いたしています。一人で読むよりも深く読めているように感じています(とはいえまだまだ理解がおよばないところがありますが…)。
今後も地道に教科書を読んでいくことを頑張っていこうと思っています。
4.終わりに
SPH生活のキラキラした部分をまとめてみました。こうやってまとめてみると、改めて自分は多動だなあ、と感じています。
SPH生活はこれにて終了ですが、すでに博士課程の生活が始まっています。今後は博士課程生活についても今まで通り不定期でまとめていこうと思います。
引き続きお楽しみいただけましたら嬉しいです。
最後までお読みくださりありがとうございました!
また次の記事でお会いしましょう!!
越川翔太
筆者
越川 翔太(こしかわ しょうた)
多動な薬剤師6年目。博士課程学生。
都内私大薬学部卒(6年制)を卒業後、都内大学病院で病院薬剤師に3年間従事。
その後東大SPHに進学。都内調剤薬局にて修行も同時に行なっている。
キャリアについていつも悩んでいるが、将来について考えるのが好き。
「越川 翔太」は大好きな祖父からもらって名乗っているペンネーム。
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