自転車が好きである。私は2025年3月現在、東京都内の薬局に週6日自転車で出勤している。いわゆるチャリ通である。自転車に乗るのは片道12,13分程度。気晴らしと若干の運動不足解消にもってこいだ。通勤時は朝の冷たい空気が頬に触るのが気持ちいい。排ガスまみれの東京都内も朝の空気は幾分か新鮮で、肺の奥まで空気を入れる。朝の東京のターミナル駅(東京はターミナル駅ばかりだけども)は通勤する人で溢れている。おそらく満員電車に揺られてきたであろう、ぐったりとした顔の人たちの脇をすり抜けていく。「お互い頑張ろう」みたいな妙な連帯感がある。が、よく考えたら私は満員電車には揺られていないので消耗していないのだが。チャリ通だと朝の消耗がないため1日のスタートを気持ちよく始められる。
通勤時とは反対に、帰宅時の空気は綺麗ではない。なんか暖かいし、細かい粒子がいっぱい飛んでいるような気がする。しかし心はるんるんである(仕事終わりだから当たり前か)。進路は西なので、夕陽がオレンジ色で綺麗だったりする。都心方向に変えるので、私が走る車線の反対側の方が車が多い。マイカー通勤もカッコいいな、なんて思いつつ、私は自転車通勤が好きである(車の運転もそれはそれで好きだが)。
自転車に乗っている時は、歩行時・電車時・自動車時のどれとも視点が異なっており、とてもおもしろい。同じ街でも新たな気づきがある。それぞれとスピードが違ったり、より自由に行き先を決めることができるからだろうか。自転車通学・通勤が私には快適なライフスタイルなのだと気がついた。今後の生き方でも大切にしていきたいライフスタイルである。
てくてく通信2025年4月4日配信号掲載

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著者 部長(ぶちょう)
東大院生。ときどき薬剤師。
忙しい日常にホッと一息を作り出せると幸せ。
好きなことは散歩・読書・地図を眺めること。
やわらかであたたかい言葉を紡げるようになりたい。
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