「〇〇な気がします。」「〇〇かもしれません。」私は言葉を断定することが苦手である。特に、相手の間違いに気づいたとき、それを伝えるまでに、用意した言葉を頭の中で何度もシミュレーションしてしまう。こちらが緊張感を出してしまえば、そのミスが重大であるかのように受け取られてしまう可能性もある。明朗な態度を心がけるべきである。しかし、やはり自分の言い方一つで相手の気持ちを傷つけてしまったら申し訳ないと考えたり、もう既に本人が気づいている場合もあるのでは?などと、白色の玉が多めに入ったガラポン抽選みたいに思考が巡り、結局恐る恐る私が発した言葉はハズレなのである。いつか当たりを出せたら、心の中で自分にだけ響く鐘を鳴らしたい。
てくてく通信 2025年6月18日号掲載

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