雨の日の便箋 #008

雨の日の便箋

 姉は、お手本のように「姉」である。2歳上の姉は、私が生まれる前から、もうすぐ〇〇ちゃんが生まれてきます!と周囲に紹介してくれていたそうだ。私が生まれてからは、2歳ながら私のお世話をしてくれた。無垢な責任感が可愛い。子供の頃の写真を見返すと、私の斜め後ろには、必ず見守り顔の姉がそっといる。

 芸術全般に精通している姉と、数年前ゴッホ展へ行った。音声ガイドが難しく感じる私に、丁寧で楽しい解説をしてくれた。姉から教わった、絵画の中の大きなZを見つける度に、〇〇さん凄い!と毎度同じ温度での反応をくれた。

 姉は、いつもどんな私でも褒めてくれる。膨大な知識を格納している姉から褒められると、心地よい錯覚に陥ることができる。きっとこの文章も、褒めてくれるのであろう。

てくてく通信 2025年6月4日号掲載







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筆者 

名前:ゆうこりん
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