雨の日の便箋 #006

雨の日の便箋

 玄関を開けた瞬間、動物が家の中に入ってきたらどうしよう。私には、起こらないことを想像して不安になってしまう癖がある。大抵の場合、人から鼻で笑われる。学生の頃、息が止まってしまったら、と考えると朝まで眠れなかった。担任に話すと、そんな訳あるか!バニラの香りのキャンドルでも焚いてから寝ろ!と言われ、まんまと購入した。あまり好きな香りではなかった。

 杞憂という言葉は、中国の杞に住む人が、空が落ちて来たらどうしよう。と心配していたことから生まれた言葉だと知った。昔の人はこんなに壮大な不安の中、生きていたのか。なんだか、心が軽くなった気がした。それからは、杞憂なことが思い浮かぶたびに、空は落ちてこないしな。と思うようにしている。少し、大人になった。

てくてく通信 2025年5月28日号掲載







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筆者 

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