私はあまりドラマを見返したりしない。しかし大好きで何度も見返してしまうドラマがあるのでご紹介したい。「東京MER」である。「命を救う」ために登場人物たちが奔走するドラマである。

私が好きなところは、「人の命を救う」方法には様々な手段があるということを教えてくれることである。主題は「救急医療で目の前の命を救う」ことだが、それだけでなく、「通常時の医療で命を救う」「国や地方自治体の医療政策で多くの命を救う」「物資の供給や政治によって命を救う」など、さまざまな側面が登場人物ごとの視点で描かれている。

魅力的な登場人物ばかりなのだが、一番感情移入する人は賀来賢人さん演じる音羽尚医師である。彼は医系技官である。多くの命を救うため、臨床現場の経験を活かして政策の現場で奮闘している。私も臨床現場でぶち当たった課題を解決したいと思っているところに通ずる想いがあるのかもしれない。彼の言動を聞いて「わかるな〜」と思うことが多くある。
私が一番好きなのは第5話の最後に音羽が患者と話すシーンである。
「そうした医療の不平等を是正するために私は医師免許を持ちながら官僚になりました」

私は多分、臨床現場を離れていることに若干の後ろめたさを感じているのかもしれない。非常に心に刺さるセリフである。臨床現場以外にも命を救う方法があるのだと、このセリフに勇気づけられている(もっとも、彼自身は臨床現場にも立っているが)。どうしてもやる気が出なかったり、課題の大きさに絶望したり挫折してしまいそうになるときに観ている。自分もこんなふうになりたいと思いながら、何度も見返しているのだと思う(もちろん、実際になれるわけではないが)。
なお、東京MERは日曜劇場で放送されたドラマだが、その後、横浜を舞台にした劇場版第一弾が公開された。そして、この夏には劇場版第二弾が公開予定で、今度は島嶼部医療がテーマのようである。今から観るのが楽しみだ。
東京MER 公式サイト

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部長(ぶちょう)

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