先日から始まったドラマ「19番目のカルテ」を観た。私が特に印象に残ったシーンを、忘れないうちに文字におこしておきたいと思う。

印象的だったのは、松本潤さんが演じる総合診療医と、小芝風花さんが演じる三年目の医師が会話するシーンである。
(小芝)もっと患者さんを診られるようになりたいんです。一人でしっかりと。
(松本)一人で。
(小芝)それができたら…
(松本)何でも治せるお医者さんになれる…?
-少し間を置いて-
(松本)申し訳ないけど、ちょっと違う気がするな。
私は医師ではなく薬剤師なので全く同じではないが、小芝さんの姿に5年前の自分を、松本さんの姿に今の自分を重ねて観ていた。

少し私自身の話をすると、薬剤師なりたての私は「すべての患者を薬で助けたい」と強く思っていた。本気でそう信じていたし、患者さんと接する時も私が(一人で)頑張らなければならない、私がしっかりしなければという気持ちも持っていた。
もし過去の私が今の私に同じことを話してきたら、やはり私は松本さんのように伝えると思う。気持ちは立派だが、それだけで人を助けられるほど現実は甘くない。人を助けるというのは、もっと泥臭くて人間らしい営みなんだろう。しかも、必ずしも助けられるわけではない。それでも迷いながら進んでいくしかないのだと思う。

このドラマで少し残念に感じたのは、小芝さんの理解が早すぎることだ。ドラマの中の1~2日ほどで「一人では無理だ」と気づいていた。私の場合はそのことを理解するのに5年もかかってしまったというのに。笑
久しぶりに熱くなれるドラマであった。2話目も楽しみである。
日曜劇場「19番目のカルテ」

記事を書いたのは…

部長(ぶちょう)

職業:フリーランスの自由人。東大院生をしてたり、大学以外で研究してたり。たまに薬剤師してたりもします。
ひとこと
はじめまして。てくてく放送部の部長です。最後までお読みくださりありがとうございます。
忙しい日常の中で「あなたのほっと一息」にご一緒できたらとても嬉しいです。
末永くお付き合いください。
著書はこちらから(もしくは下記画像のBUY ON AMAZONのクリックで該当サイトに飛びます)
※Kindle unlimitedで無料で読むことができます!Kindle unlimited登録はこちらから
ホッと一息つきたい時に、Podcastはいかがですか?
メルマガ「てくてく通信」では、部長のほぼ日連載エッセイ「てくてくと、今日も」をお届けしています!お楽しみに!
てくてく放送部公式LINEスタンプも販売中です!

コメント