朝焼けが綺麗であった。いつものように朝6時台に起きて、なにげなく外を見たら、朝の世界が美しかった。忘れないように筆をとった次第である。
私の部屋からは東京大学がよく見える。朝の光に照らされた東京大学の建物はとても美しい。普段は職場を見たくないので見ないようにしているが、朝の光の下だとそのような気持ちも湧いてこないので不思議である。空の薄い水色を背景に、オレンジがかった光が建物を照らしている。「おー。」などと一人で思わず言葉を漏らす。自然の凄さである。
昨日、収録で新婚旅行回を収録した。収録を始めると、日常では忘れていた旅行の景色が鮮明によみがえってきた。人間というのはすごいもので、話しているうちに旅行であったことやその時の感覚をまざまざと思い出せるのである。やはりインプットだけでなくアウトプットも大切である。
新婚旅行では宮崎県高千穂国見ヶ丘の朝焼けが綺麗であった。雲海を見に行ったのだが、残念ながら海と呼べるほど雲は出なかった。しかし、朝の光が山と、田んぼと、走っている車を照らしている様子は美しいという表現以外が出てこなかった。おそらく私は一生あの景色を忘れないだろう。
その景色に負けないくらい、今朝の東京の朝焼けは美しかった。朝焼けは一瞬一瞬で様相を変えていき、気がついたらいつもの景色になってしまう。これからは毎朝起きたらすぐに外を見てみようと思う。この景色を見られるのだって、あと何回かはわからないのだから。
てくてく通信 2025年4月9日号掲載

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著者 部長(ぶちょう)
東大院生。ときどき薬剤師。
忙しい日常にホッと一息を作り出せると幸せ。
好きなことは散歩・読書・地図を眺めること。
やわらかであたたかい言葉を紡げるようになりたい。
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